「期待しないで…って。私たちが美羽にお願いしたい、って言うんだから、美羽は“はい”か“いいえ”のどっちで答えるかだけ考えてればいーの!」
「…そ。俺たちがお願いしてるんだから、俺たちが美羽に文句言うこともないし、きっと美羽は丁寧にやってくれるだろうから、不満を持つこともないよ」
二人がそう言ってくれて、安心する。
私は頷いて、眺から紙を受け取った。そして、机の中から筆記用具を取り出す。
「えっと…一班。これ、何の順で書くの?」
「なんでもいいと思うよ」
「…椎名眺…関根雨月……渋谷礼奈…三条美羽……これでいい?」
「うん、大丈夫。ありがとう、美羽」
そう言って笑う眺を見て、「やっぱり役に立ててよかった」って、嬉しくなって。
私も自然と笑顔がこぼれてきた。
「私こそ、小さいことでも役に立てて嬉しい…!」
「小さくなんかないから。すっごい助かった。美羽の字はキレイで見やすい」



