大嫌い、だから恋人になる

「特訓はまた今度ね」

元バスケ部のなっちゃんの特訓は、文系の私には鬼のシゴキみたいに思える。

まあ、50メートル走っただけで、足がガクガクになる私も私だけど。

高校生なのに、おばさんみたいな体力。

「ちひろ、私は向こうのネットしまってくるから、そっちのボールはよろしくね。なっちゃんはスコアボード片付けて置いて」

「オッケー。任せておいて」

なっちゃんと凜ちゃんはテキパキと片付けを始めたら。

一方でドンクサイ私はボールをぽろぽろ落としてる。

一個拾ったら、一個落としてる。

「ちーちゃん、片付けだよ。散らかすんじゃないよ」

なっちゃんが笑いながら言った。