秋山君とデート、考えただけでじっとしてられない。でもニセモノ彼女は学校内だけ、だからデートなんてあり得ない。それは悲しいけど、今の私にはちょうど良い。だってデートなんてしたら、気持ち隠せないもん。舞い上がって、嬉しくなって、どうかなりそうになる。

「わかった。気持ちをちゃんと隠せるようになるまで、今以上に逢わないようにする」

「でも出来るの?ちーちゃん」

「難しいけど、絶対やる。だって秋山君と離れたくない。だから頑張る」

そう、今まで通り。今まで通り。  

私はそう言い聞かせて秋山君に毎日会った。

まだ三か月のリミットまで二か月ある。こんな所で、私の気持ちがばれるわけにはいかない。

だから金曜日の放課後、秋山君にこう言われた時は、頭がごちゃごちゃになりそうだった。

「今度の日曜、暇ならどっか行かないか?ニセモノと言っても、一応付き合ってるんだから、デート位しても良いだろ?」