大嫌い、だから恋人になる

「全部、私の為なの?」

「そうだよ。ちひろのせいでめちゃくちゃだ」

秋山君は笑いながら言った。久しぶりに見た秋山君の笑顔。

「本当にバカなんだから。留学すっぽかすなんて」

「それ言ったらちひろだって相当だろ、空港まで追いかけてくるんだから」

「そうだね。でも・・・」

秋山君は私の言葉を待たずに優しく抱きしめてくれた。嬉しすぎて本当のことじゃないみたい。体がふわふわしてドキドキして、何も言えなくなる。前までの秋山君とはちょっと違う。少し大人になった秋山君。

「もう絶対離さないから。ちひろももう二度とどっかに行くな」

「行かない。絶対に」

涙声で私は答えた。

「それとちひろ、俺、もう一つ大切なこと伝えなくちゃいけない」

真剣な眼差しの秋山君。