大嫌い、だから恋人になる

翌日から本当にスパルタが始まった。

始まる前は私も一応女の子だし、多少は優しくしてくれると思った。

でも大違い。

秋山君は私の苦手な数学から始めた。

「何その計算のやり方、全然ダメ。やり直し」

「でも答えあってるでしょ?」 

とむくれる私に

「そんなのは結果論だろ。今はたまたま正解するより、正しいやり方を覚えろ」

「これが私のやり方なの。先生だって言ってたでしょ?自分で考えて答えを導きなさいって」

「バカ。それは頭が良い人間の話だ。赤点ギリギリのお前の話じゃない」

「バカ、とかお前って言うのは止めて。私だって女の子だよ」

「そんなのは今度のテストで良い点数を取ってからだ。いいから勉強に集中しろ」

そんな具合で一時間は数学に費やされた。

数字が頭の中でぐらぐらする。

でもこれでやっと終わり、と思ったら今度は化学。

「とりあえず元素記号、ちゃんと覚えてきたな。言ってみろ」

そう言えば昨日、そんなことを言われた。

でも今の数学ですっかり忘れた。私の頭は元素記号と、数式をいっぺんに記憶するようには出来てない。