生徒会の手伝い俺とちひろが選ばれたのは、春香さんが決めたことだった。春香さんの頼みなら、生徒はもちろん教師だって断れない。何て言っても学校一の秀才で美人だから。

春香さんがちひろにしたことが良くないことはわかっていた。でも俺は止めなかった。ちひろに対する怒りがまだ残っていて、正直に言えば良い気味だとも思った。

「あんな子、これ位しなくちゃダメよ。玲が気に病むことじゃないわ」

春香さんはそう言った。もちろん止めることは出来た。でも春香さんを止めて、ちひろの味方になることは、俺がまだちひろを好きなことになるわけだから、それは出来なかった。

だから結局、ちひろが春香さんにイジメられても俺は無視した。ただ最初の内は、良い気味だと思ってたけど、だんだん嫌になって来た。ちひろの悲しそうな顔も嫌だったし、こんなことに手を貸す自分も嫌だった。こんなことは早く終われば良いのにと思った。

面倒なことは続くもので、この頃、白崎が姿を見せるようになった。

「秋山、元気か?今度一緒にどっか行こうぜ」

「そうですね、機会があれば」