結局、私は進路調査票に第一志望は大学進学って書いた。

大学で本当にやりたいことを見つける為だけど、大学に入ったら入ったで、何も見つからないかもしれない。

誰かが私の為に一番合ってる将来を教えてくれたら良いのに。夢なんて叶う、叶わないの前に持ってる人が凄いって思う。

まあ、そもそも私の成績だと大学進学も怪しいけど。名前書けば誰でも受かる大学はちょっと避けたい。

けど一人暮らしは少し楽しみかも。

そんなこと考える前に勉強をしなくちゃいけないけど。

「ちひろ、そろそろ帰ろう」

凜ちゃんが言った。

「そうだね。でも外に出たくない」

教室内は冷房が効いてるけど、窓の外は真夏の太陽の光が降り注いで、セミがうるさいくらいに鳴いてる。

「ねえ、凜ちゃんは夏休み、予定あるの?」

「無いかな。でも思いっきり遊びたい」

「珍しい。凜ちゃん、勉強するのかと思ってた」

「だってどうせ二年生になったら受験の準備でしょ。今位は遊びたい」

「そうだよね。二年生になったら受験の準備だもんね」

夏休みは休む為のもので、勉強させるのは良くないと思う。