大嫌い、だから恋人になる

私は春香さんみたいな人に負けたくないと思った。でもその日は一番辛かった。

この日、室内には私達三人しかいなかった。

話をしてるのは二人だけで、私は完全に無視。無視されるのは毎日だけど、やっぱり慣れない。

私は手持無沙汰で古い資料を出したり仕舞ったりしてた。

時計を見ても全然進んでない。早く下校時間になれば良いのに。

「何、これ」

春香さんが不意に大きな声を出した。

「どうかした?」

秋山君が聞いた。

私は何も反応しなかった。別にしたって何にもならないだろうし。

「ここ、全部間違ってる。どうしよう、今日中に提出しなくちゃいけない資料なのに。先生になんて説明しよう」

ご愁傷様、と私は思った。たまには先生に叱られれば良いんだ。たまには叱られて、その鼻っ柱折られちゃえば良い。

「誰がこの資料をまとめたのかしら?」

私はちらっとそれを見た。その資料は覚えてる。私がやろうとしたら、あなたには無理よ、って春香さんに言われた資料だ。本当に良い気味。自分でも嫌な奴だと思うけど、やっぱり良い気味だと思った。