大嫌い、だから恋人になる

「凜ちゃんはしっかりしてるから、年下の彼氏とか良さそう」

と私は言った。

「甘えられるのは嫌かな。後、あんまりバカな男子も。親戚のお兄ちゃんみたいのもだけど」

「親戚のお兄ちゃん?」

「うん。三十過ぎて、ろくに仕事もせずに自分探しの旅に出てる。だから自分探しの旅に出る男子とか、良い年して心は少年、みたいなのもアウトかな。理想は公務員。安定した生活したい」

「凜ちゃん、なんか婚活女子みたいなこと言ってる」

「でも私のお姉ちゃんよりしっかりしてるかも。私のお姉ちゃん、好きな男子のタイプは自分探しの旅人だから。お母さんは自分探しの前に職探せって言ってた」

なっちゃんのお姉ちゃん、頑張って。

「いっそ、彼氏なんて作らないで一人で生きるのも面白いかもね。彼氏とか結婚とか面倒そうだし」

凜ちゃんは言った。

「私もパンがあれば良いかな」

私はどうなのかな。秋山君よりカッコいい彼氏なんて、もう一生出来ないと思う。あんなに好きな人も。高校生のくせに何言ってるんだ、なんて大人には言われそうだけど。私にはそんな気がする。それに幾ら秋山君よりも完璧で、カッコいい彼氏が現れても、それはそれで嫌。秋山君以外に誰かを好きになりたくない。

でもこんなこと考えて三十過ぎたら、ただの痛いオバサンだし。やっぱり私もどこかで妥協するのかな。