大嫌い、だから恋人になる

「突然、何言ってるんだ。冗談なら全然、面白くないぞ」

秋山君が怒ってるのがはっきりとわかった。冗談だって言えたらどんなに良かっただろう。

「冗談じゃない。半日だけ付き合ってわかったの。私達、全然合わないって。今日だって一緒に居て、全然楽しく無かった」

「突然、どういうつもりだよ。お前、あんなに楽しそうだったろ?手を繋ぎたいって言ったのもお前じゃないか」

「だから手を繋いでも、全然、ドキドキもわくわくもしなかったの。だいたい、秋山君、女の子が全部自分に惚れるみたいに思ってるんじゃない?」

「何だよ、その言い方」

「違う?だから私にこんなこと言われてイライラしてるんでしょ」

自分で言ってて嫌になる。早くこんなこと終われば良いのに。

「じゃあ、ちひろは今日俺と一緒に居て何も感じなかったのか?楽しそうにしてたのも、告白を受けたのも全部ウソなのか?」

「ウソってわけじゃない。だって秋山君と付き合ったら、他の友達に自慢出来るから。でもやっぱり辞めた。ねえ、秋山君、私ずっと言ってたよね。前から。秋山君のこと嫌いだって」