私たちは二人で話すため、校舎の裏手に来た。

秋山君はなっちゃん達と別れると、たちまち本性を現した。

「おい、お前さっきの言葉、本気にするなよ。お前を絶対大切にするなんて」

「しませんよ。それより、秋山君のさっきの凜ちゃん達に対する態度は何?裏表ありすぎ」

「何言ってるんだ。俺は裏表なんて無いぞ。だいたい、俺そう言うの嫌いだしさ。カッコ悪いだろ」

「そんなこと信じられない」

「だから本当だって言ってるだろ。そもそも俺、両親から女の子は男子より弱いんだから、絶対守ってやらなくちゃいけないって言われ続けたんだから」

と秋山君は言った。

その言葉にウソは無さそうだった。そもそも今さら、秋山君が私の前で取り繕う必要も無いし。

けど、あれ、待って。

女の子に優しくするように言われたんだよね。でも私は?私は一度も優しくして貰って無い。

「それはお前が特別だから」

私は不覚にも一瞬、ドキッとした。

秋山君の次の言葉で現実に戻されたけど。

「なんかさ、お前って普通の女の子って感じしないんだよね。だから別にいいかなって。丁寧に接しなくても。ちんちくりんだし」