大嫌い、だから恋人になる

お化け屋敷を出た後は、凜ちゃんはぐったりしてた。

いっぱい悲鳴をあげてたから、声はかすれてた。

「全然、平気。子供騙しだよね」

と言った凜ちゃんは全然、平気じゃ無さそうだった。

「凜ちゃん、後ろ」

なっちゃんが言うと、凜ちゃんがまた私の腕を掴んだ。

「やっぱり、凜ちゃん怖いんだ」

なっちゃんが笑いながら言う。

「怖く無いってば」

凜ちゃんがムキになって言い返す。

その様子がいつもの冷静な凜ちゃんとは違ってたから、私も可笑しくなって笑った。