「こんな所で何してるの?」

私の声はどうしてもキツくなる。でも秋山君は全然動じない。

「何してるはひどいな。ちょっと話があるから来たんだ」

と秋山君は言った。


「あの、秋山君、ちょっと聞いて良い?」

と凜ちゃんが言った。

「ちひろに告白したって本当なの?」

「本当だよ。どうして?俺じゃちひろさんと釣り合わないかな?ちひろさん、素敵だから」

昨日は私のことちんちくりん扱いだったのに。今日は何?

「ええと、秋山君がちひろのこと好きなら良いの。でももしちひろをからかったりしてるなら止めて欲しいの。ちひろは私の大切な友達だから」

「私も友達だよ。幾ら秋山君でもちーちゃんを傷付けたら許さない」

となっちゃん。

二人とも私のこと、心配してくれるんだ。そう思うととっても嬉しかった。

「大丈夫。俺ちひろさんのこと本気だから。凜さんも、菜津さんも心配しないで。絶対大切にするから」

それに比べて秋山君、良くこんなウソペラペラ言える。昨日の言葉、私は忘れて無い。

「少しちひろさんと二人で話をしたいから、ちひろさん借りても良い?」

「大丈夫。でもちひろ本当は繊細な感情の持ち主だから、傷付けることはしないで」

凜ちゃんの言葉に秋山君は力強く頷いた。その様子を見てると、昨日のことは全部私の勘違いで、本当の秋山君は優しいんじゃ無いかと思った。

でもそれは私の勘違いだって直ぐにわかったけど。