大嫌い、だから恋人になる

「ごめんね、凜ちゃん。そんな驚くとは思わなかったから」

なっちゃんが謝った。

「勘違いしないで。その、痴漢だと思ったの。断じてお化けが怖かったわけじゃない」

凜ちゃんは変な所で意地を張る。

「じゃあ、そう言うことにしてお化け屋敷は止めようか」

私の言葉が凜ちゃんの負けず嫌いに火を付けた。

「そう言うことって何?まるで私が怖がりみたいな話になってるし。わかった。お化け屋敷に入って私が怖がりじゃ無いって証明する」

凜ちゃんはずんずんお化け屋敷の方に歩いて行った。