大嫌い、だから恋人になる

「怖いわけ無いでしょ」

そう言う凜ちゃんの声は裏返ってる。

「ちーちゃん、凜ちゃん怖いみたいだし、別の所にしよっか」

「そうだね。でも意外、凜ちゃん幽霊とか苦手なんだね」

「だから怖く無いってば。幽霊なんて非科学的よ。お化け屋敷なんてみんな中は人間でしょ」

「でもお化け屋敷って本当の幽霊連れて来るって聞いたことある」

なっちゃんが言った。

「それ私も聞いたことある」

「バ、バカじゃないの、二人とも。そんなわけ無いでしょ」

凜ちゃんの声は震えてる。

「それでお化け屋敷に来たお客さんの足を引っ張って深い深い、穴の中に引きずり込むんだって。だからいつも一人か二人、入った人と出た数の人が違って・・・」


私が話してる隙に、なっちゃんがそっと凜ちゃんの後ろに回った。そしてそっと足を触る。

その後は凜ちゃんのスゴい悲鳴が響いた。