「もう、二人ともひどい」

私は頬を脹らまして言った。

「ごめん、ごめん。お詫びの印にパンあげるから」

なっちゃんはそう言ってパンを差し出す。

「じゃあ許して上げる」

私はパンを受け取る。

「でもちひろもちひろだよ。いきなり冗談言うんだもん」

凜ちゃんが言った。

「だから本当に告白されたんだってば」

二人もやっと私の話を真面目に聞いてくれるようになった。

「昨日、バスケットボール片付けてたでしょ。そうしたら突然、秋山君が来て、俺と付き合って欲しいって」

正確な言い方とは少し違うけど。

「確かに秋山君昨日、倉庫の所にいた」

なっちゃんが言った。

「そっか。じゃあ本当になの?」

「だから本当だってば。凜ちゃん」

「でもなんでちーちゃんなんだろう?」

「それは私が飛びっきりの美少女だからじゃないかな」

凜ちゃんは私の言葉を思いっきりスルーして

「なっちゃんはどう思う?」

「やっぱり性格かな。ちーちゃん、悪い子じゃ無いし」

なっちゃんまでスルー?

二人はまだ半信半疑みたいだった。でも最後には信じてくれた。

まあ、それは当然と言えば当然。

だって当の秋山君が私を探してここに来たんだから。