大嫌い、だから恋人になる

「聞いて、白崎君。うちの親って本当にウザイ」

「うちもだよ。親なんてバカだからな」

「だよね。あーあ。早くこんな家出てきたい」

「じゃあさ、いっそ俺の家に来たら?家出して」

「ありがとう。でも冗談だよね。私まだ中学生だよ」

「いや、割りと本気。ちひろちゃん大人っぽいし、年齢とか重要じゃないよ」

家にも学校にもウンザリしてたから、白崎君の言う通り、本当に白崎君の家に行こうって思った。でもやっぱり怖くて、一歩踏み出せなかった。

家出なんて絶対無理。そう思ってた。この時は。