大嫌い、だから恋人になる

目も少しづつ慣れてきて、誰なのかやっとわかった。

「秋山君?」

私はびっくりした。

目の前に居るのは確かに、秋山君、秋山玲君だ。

だけどなんでこんな所に居るの?

こんな所で何を?

「ええと。何してるの?」

秋山君は私の問いには答えず

「お前、本当にどんくさいな」

と言った。

ちょっと待って。初めて喋る相手にどんくさいとか、ひどい。

確かに私はどんくさいけど。

「まあ、いいや。それよりちょっと話があるんだ」

「こんな所で?」

倉庫内で男子と二人きりなんて。

「ああ、大丈夫、俺、お前みたいなちんちくりん、全然興味無いから」

「私だって秋山君になんか興味無いから」

「それは良かった。」

何、この人。

誰、こんな奴を良い人なんて言ったのは?

「とにかく誰にも聞かれたく無い話なんだ」