大嫌い、だから恋人になる

二人はあっという間に片付け終えてる。

やっと私も体育館倉庫に全部ボール運んだ。

倉庫の中はマットや石灰や埃の匂いで溢れてる。

入口から差し込む光が無ければ、真っ暗で何も見えなくなる。

私はやっとボールを全部、倉庫の奥にあるカゴの中に入れた。

と思ったら、入口が閉まる音がする。

倉庫内はどんどん暗くなる。

私は暗いのが苦手。

なっちゃんや凜ちゃんもそれを知ってるはず。

だからこんなイタズラはちょっと嫌だった。

「なっちゃん、凜ちゃん、止めて」

私は入口の方を振り向いた。

誰かが入口の所に立ってる。

逆光になってたから、顔は良く見えなかった。

でもなっちゃん達にしては体が大きい。

男子?

なんで?

私はちょっと怖くなった。