まぁこの会話も当然、ポカーンとしながら見つめるわけですよ。

「ごめん音、乗って」

「は、はい!お邪魔しますー…」

「音ちゃん、また来てね!」

「はい!」

車のドアが閉められるのと同時に、詩ちゃんの顔が見えた。

2階の窓から、こちらを見る詩ちゃんを。

その表情は、どこか寂しそうだった。