「ごめっ…律くっ…」

「謝らないで…落ち着いた?」

私はゆっくり頷く。

まだ律くんは私を抱きしめたままだった。

「よかった…何があったの?」

私を離すと、そう聞いてきた。

言いずらかったけど、律くんに心配させたままだと…

「そこにある雑誌…あの人が写ってて…だから…」

「あの人って…音の…お父さん?」

「うん…」

律くんは立ち上がり、雑誌を手に取ると目を見開いた。

あの人が写ってた場所は表紙だから、捲らなくても分かる。