「ご、めんなさ…」

「ったく…だから出来損ないって言われるんだ、恥晒しが」

「ーーっ!」

ピアニストのパパは、人一倍プライドが高くて、私はよく出来損ないって言われていた。

「なんてこと言うんですか!!!音はあなたの子供ですよ!!?」

「こんな恥晒しは私の子供ではない。私の子供は、奏だけだ」

「なっ…!」

奏は私のお姉ちゃんだ。

お姉ちゃんには才能があって、私が出来ないこともなんでも出来てしまう。

だから、あの人はお姉ちゃんばかりを可愛がるんだ。