「初めてなんだよね?この曲弾いたの」

「うん…」

連弾、知らなかったもん…

私が出るコンクールで見るまでは。

「だったら尚更凄いよ!練習すればもっともっと上手くなるよ!」

「律くん…」

もっと…上手くなる…

練習すれば…

「律くん、褒められるってこんなに嬉しいんだね…」

「…っ、音…」

「私、頑張る。ちょっと怖いけど…でも、あの人達を見返したい」

「…うん、頑張れ」

その時、下校のチャイムが鳴った。

仕方なく帰ることにした。

連弾、出来るようになれたらいいなぁ…