中盤までなんとか間違えないで弾けていた。

だけど、ある場所で躓いてしまった。

「…っ」

やばい、怒られる…

折角教えてくれてるのにっ…

チラッと律くんの顔を見ると、真面目な顔をして楽譜を見ていた。

怒られる、やっぱり怒られるんだ…

「凄い…凄いよ音!」

「……っ!えっ…?」

「はっ…!い、いいい今俺っ…呼び捨てにっ…ごめっ…」

「ふはっ!」

慌てぶりに思わず吹き出してしまった。

「…ははっ…音、凄いよ。俺、初めてこの曲弾いた時、躓きまくってたんだ」

「えっ…」

そうだったの…?