お葬式も全て終わり、慌ただしい時間は過ぎていった。

そして今、高校3年生の夏。

「もうさぁ…

人が亡くなるの見たくない…」

「俺も。

でも、見ない訳にもいかないんだよな」

「…詩乃さん達は?」

「あっ。
呼びに来たんだった。

母さん達が呼んでるから行こ」

笑顔で手を差し伸べてきたので、私は頷き手を取った。

「母さん、来たよ」

「お、来たな〜」

ニヤニヤ顔で、後ろのドレスとスーツを手に取った。

そして、私達に差し出した。

「今月末、船上パーティがあるの。
うちが主催するから、家族全員で出る事になってるわ。

その時の服よ」

「えっ」

「やだよめんどくせぇ」

律くんは面倒くさそうな声を上げた。

「私もですか?」

私が聞くと、詩乃さんは笑顔で頷いた。

「律、逃げるのはダメよ」

「音ちゃんも大空家の一員だからな。
置いていく訳にはいかないよ」

敦さんが言った。

「はぁ…」

こうして、私も参加する事になったーー