そして弾き始めた。

すると、おじい様がドアの所にいた。

「おじい様!」

「えっ」

「うん、素晴らしいよ、律、音ちゃん。

流石儂の孫じゃな」

「「っ!」」

おじい様っ…

「おじい様分かるの?
俺達が誰か分かるの?」

律くんの問いに、答えなかった。

「おじい様…」

その日から、ピアノを弾くと私達の事を思い出すようになった。

ピアノを弾いている時だけだけど。

不思議だった。