数日後、やる事が無い為ピアノの練習をひたすらしていた。

「音ちゃん、おはよう」

「おはようございます!って、さっきも挨拶しましたよ?」

おじい様にそう言うと、はっとした顔になった。

「そういえばそうじゃったなぁ。

最近忘れっぽくってのぉ」

「えー?」

「じゃあ朝食でもーー」

「あらっ、さっき一緒に食べたじゃないですか?」

「はて。

冗談じゃ冗談。
練習、頑張るんじゃぞ」

「はい!」

おじい様は部屋を出て行った。

何かがおかしい気がする。

「音、やっぱりここにいたか」

「あ、律くん」

「どうした?」

椅子に座るなりそう聞いてきた。

「えっと…おじい様の様子とゆーか…
何かがおかしい気がするの…」

「あー…俺も思ってた」

やっぱり律くんもか。

「それは私も詩も思ってた」

振り返るといつの間にか詩乃さんが立っていた。

「最近、忘れっぽいって言ってたけど…」

「詩乃達に、行っておきたい事がある」

更に振り返ると、詩ちゃんと敦さんが立っていた。