そして、コンクール当日。

今日は大空家の皆さんと、蘭子、彼方くん、遥加くんに麗華ちゃんが来てくれている。


もう悔しい思いはしたくない。

「音、如月さん達の演奏聴く?」

「…うん」

丁度演奏が始まっていた。

「どうしよう…」

「え?」

「怖い…

また…ピアノ弾けなくなりそうで怖いっ…」

手も声も…

全てか震えている。

嫌な予感しかしない。

あの時の、コンクールと同じ感じがする。

「音、大丈夫、大丈夫だよ。俺がいる。
それに、琴音さんだって」

律くんは言うと、私にロケットペンダントを渡した。

開けてみると、ママの写真が入っていた。

「これで、ずっと一緒でしょ。
大丈夫だよ、音」

「律くんっ…

うんっ!」