コイノネイロ

月曜日の朝。

ご飯を食べ終わり、玄関に向かうとスーツに身を包んだ男の人が立っていた。

眼鏡の奥の瞳は、すごく鋭い。

「ひえっ…」

何度見ても慣れない。

何度かお会いしているが…

「おはようございます、律様、音様」

「おはようございます、中田さん」

「お、おはようございます…」

「お呼び捨てで構いません。

さん付けされるような身分ではございませんので」

この人こーゆー人なんです!

「変なとこ拘りますよね!?

何度も言いますが、俺は呼び捨てでは呼びません。
別に俺が偉い訳じゃないから、威張る意味が無いし、いつもお世話になってるのに呼び捨てするとか有り得ません。

いつもありがとうございます」

律くんは微笑んで言った。

いい子…!

と、思わず口に手を当ててしまった。

中田さんを見てみると、ほんの少し頬を染めていた。

照れてる。