コイノネイロ

更に悔しそうな顔になった。

詩ちゃんの読みは当たったみたいだ。

と、その時詩ちゃんは私の腕を掴んだ。

「そんな自己中的理由で、お兄ちゃんの人生奪って欲しくない。
うちにお嫁に来るのは、音だけだからねーだ!」

べーっと舌を出して言った。

「詩ちゃん…」

「そうですか。

では、取り引きをこれからはしません。
失礼します!」

「こんな事言っても信じてもらえるか分からないけど、私、律さんの事なんとも思ってませんわ」

「「え?」」

神宮寺さんの言葉に驚く。

「あなた達の事、噂になってた。
とっても仲の良いカップルだって。

だから、どのくらい愛し合っているのか気になってしまってつい…
ごめんなさい、音さん、律さん」

「い、いえいえ」

ついって…

まぁ、実際このままで済んだからいっか。

「もう転校はしたくないし、卒業までよろしくお願いします」

「はい!こちらこそ!」

神宮寺さんは微笑むとお辞儀をして帰って行った。