コイノネイロ

「ではわたくしはここで。

ごきげんよう」

「んだよあいつまじ」

神宮寺さんがいなくなるのと同時にそう言った蘭子。

「馴れ馴れしい奴俺嫌い」

彼方くんも機嫌悪そう。

私は、うさきさんのぬいぐるみに顔をうずめた。

「どうした?具合悪い?」

律くんは優しいから、私に聞いてきた。

具合悪くないので、首を横に振る。

「ならいいけど…」

「眠くなったんじゃ?」

「なるほど。

音、おいで。おんぶしたげる」

甘えていいかな…

最後になるかもだし…

「じゃあ…失礼します…」

私が背中に乗ると、軽々立ち上がった。

「じゃあ、俺蘭子送ってくから」

「おう」

「「またなー」」

「じゃ」

手を繋いで帰っていった。