律くんの言葉は、とても嬉しい。

すごく嬉しい。

だけど、大空グループの跡継ぎとしては…

「しっかしまぁ…2次元でしか見た事ない事が3次元で見る事になるとは…」

そう言って、カップの紅茶を蘭子は啜った。

「ほんとになぁ…

神宮寺麗華、要注意人物だな」

彼方くんはクッキーを齧った。

「俺は嫌だから。

おじい様や父さんがなんて言おうと、俺は音以外と婚姻なんてしない」

「そうじゃなきゃあたし、お前を許さない。

音を傷付ける奴は、誰であっても許さない」

2人の会話を聞きながら、紅茶を啜った。

何度も何度も、同じ考えになってしまう。

皆さんの幸せ、安泰を考えたら、私が身を引くのが1番だ。