「律くん、数学教えて…」

「はいよ」

律くんの説明はよく分かる。

「大空律さん?」

「は?」

ちょ、律くん。

は?はないよ。

「わたくし、道明寺グループ社長の娘ですわ」

「は?」

だから律くん…

「いつもお世話になっておりますの」

「は?」

……

バグった…?

なんかもう、察したよね。

今何か言っても律くんは、「は?」しか言わない気がする。

「そろそろ、お父様の代になるんでしたわよね。

その次は律さんの代へ」

「は?」

予想当たり☆

ってそーじゃなくて!

一体何を言いたいの…?

「会社をもっと大きくしたいのなら、わたくし達が婚姻すればいいんだ、と父が言っておりました」

「は?」

「あ、あの…

何が言いたいのですか…?」

「つまり、わたくしは律さんの婚約者です」

「っ!?」

「…は?」

驚き過ぎて声が出なかった。