「ふぅ〜ん…“奏の為に帰ってきてくれないか”?“俺もお前を愛している”?」

手紙が、私の力でくしゃくしゃになっていた。

「やっぱり…私は愛されてなかったんだ…いつもお姉ちゃんばかりだったもんね…」

「音…」

「ママだけはっ…ママだけは私を捨てないでっ!ママまでいなくなったら私はっ…」

ママは私を思い切り抱きしめた。

震える声で、私に言った。

「捨てるわけないじゃないっ…!音は私のっ…大切な宝物だものっ…!」

“宝物”

その言葉を聞いて、安心した。

そして、沢山沢山、涙を流した。