「遥加くーん!」

目の前にいる遥加くんを思いっきり抱きしめた。

律くん達に笑われたけどいいもんねーだ。

遥加くんは笑顔だった。

「あんた達、練習はいいの?」

蘭子は私達に言った。

「うん。

なるようになれ。もういいの」

「そっか」

「あ!」

「「「ん?」」」

「あー…あ…」

遥加くんに来てもらいたかったけど…

逆に辛い思いさせちゃうか…

「遥加も行きたいって、コンクールに」

「えっ」

「音は聴けないけど、見たいんだって」

彼方くんや顔を見た後、遥加くんを見た。

満面な笑みを浮かべていた。

「私も来て欲しいいいいいい!」

ぎゅっと抱きしめると、遥加くんも手を回してくれた。