「そうだったんだ…

遥加くん、耳が聞こえないんだ…」

「ああ。病気が原因で」

近くの公園で、遥加くんの事を聞いた。

だから私が話しかけても反応しなかったのか。

「蘭子は知ってるの?」

「…うんや。

話さなきゃって思ってたんだけど、話し損ねた」

「そう…」

なんか複雑?

「あ、やば…

律くんとピアノの練習しなきゃだからそろそろ帰るね」

時計を見ると、12時を指していた。

「おう。サンキューな」

「いえいえ。

遥加くん、またね」

遥加くんに分かるように言うと、何かを手で言った。

「今度遊んでね、だって」

「え、まじで?

勿論だよ!」

思いっきり頷いた。

私も今度遊びたい。

「じゃあね!」

ハイタッチをして、私達は別れた。