「あ、いたっ…」

近くのデパートのおもちゃ売り場にいた。

あ、お名前聞くの忘れてた。

「ねぇボク?」

……

あれ、反応してくれないゾ☆

「あ、彼方くんに連絡…」

LINEを送ると、すぐ来ると返信が来た。

さて、どうしようか。

「ボク、お名前は?」

肩に手を置くと、ビクッと反応して、私の方を見た。

すると、一気に目に涙を溜めた。

「え、ちょ!」

手で何かをやっていた。

「手話…?」

「遥加!」

「彼方くん!」

遥加(ハルカ)くんは彼方くんに気が付き、走り寄って行った。

「良かったぁ…

怪我してないな?」

1度抱きしめた後、そう聞いた。

手話と一緒に。

遥加くんは小さく頷いた。

「そっか。

ありがとう音ちゃん、一緒に探してくれて」

「どういたしまして」

また、遥加くんを抱きしめた。