部屋を出ると、浴衣に身を包んだ律くんがいた。

「…っ」

「お、似合うなぁ」

隣に立っていた敦さんがそう言ってくれた。

「ありがとうございます」

恥ずかしさのあまり、俯いてしまった。

「はい、律。
これでたこ焼きとか買って食べなさい」

「たこ焼き…」

「好きでしょ」

やば、ヨダレ出てきそう…

「はいよ」

「あと、何かあったらちゃんと音ちゃんを守りなさいよ」

「当たり前じゃん」

詩乃さんと律くんの会話を見ていると、詩ちゃんが部屋から出てきた。

「詩、そろそろ行くのか?」

「うん。待ち合わせ時間がそろそろだから。

音、可愛いじゃん」

「ありがとう、詩ちゃん」

詩ちゃんは微笑むと、玄関に向かった。

「じゃあ行ってきまーす」

「「「行ってらっしゃい!」」」

「じゃあ俺達も行こうぜ」

「うん!行ってきます!」

「行ってきます」

「「行ってらっしゃい!」」

詩乃さんと敦さんに見送られ、私達は家を出た。