「はあっ…はあっ…はあっ…」

上手く息が出来なくて苦しくなりながらも走り続けた。

裸足だから小石を踏んだりして痛くなってもずっと。

律くんの元に向かった。

「りっ…はあっ…はあっ…はあっ…」

律くんの姿が見えた気がした。

こっちに向かって来ている。

声を掛けようと思ったけど、息が出来なくて無理だった。

そして、一瞬にしてその場に倒れ込んだ。

「音?

音!?」

私に気づいた律くんが、血相を変えて近寄ってきた。

「大丈夫!?音!」

「はあっ…はあっ…」

視界が霞んできて、律くんの顔が見えなくなってきた。

律くんは私を抱きしめた。

「音っ…ゆっくり息をするんだっ…

大丈夫…大丈夫だから…」

何度も何度も息をしているうちに、苦しいのは治まった。