どうしようどうしよう…

弾けないよ…

やっぱり私は出来損ないなんだっ…

沢山練習しないとっ…

律くんに笑われるっ…

もっともっと上手くならなきゃっ…

「寝るのなら早く部屋に行きなさい。

朝6時起床ですよ」

「はっ…いっ…」

スマホは取り上げられているから、律くんに電話したくても出来ない。

固定電話も無い。

私はひとりぼっち。

部屋に行くとお布団に潜り込んだ。

声を押し殺して泣いた。

だけど、そのまますぐに寝てしまったらしい。

気づいたら、朝だった。

5時23分…

練習しなきゃ…

上手くならなきゃ…

永遠にそう思い続けた。

朝から晩までピアノの練習。

失敗するとご飯は抜き。