ハッピーバースデーの歌を歌ってくれて、私はケーキの蝋燭の火を吹き消した。

ご飯をお腹いっぱいになるくらい美味しくいただいた。

チョコレートケーキを人数分に分けて、こちらも美味しくいただいた。

「詩乃さん、とっても美味しかったです!」

「良かった〜!

音ちゃんの好物作れて良かったよ〜!」

「音ちゃん」

「はい?」

「これ、儂らからのプレゼントじゃ」

そう言って渡してきたのは、ブレスレットだった。

私の誕生石が付いている。

「何も強請らなかったから、俺達で決めさせてもらったよ」

「お父さんとおじい様、宝石の趣味悪くて大変だったよ…」

「「悪かったな…」」

「ぷはっ!」

思わず笑ってしまった。

「あのね、このブレスレット、デザインしたのは琴音ちゃんなんだよ」

「えっ…」

詩乃さんの言葉に私は驚く。

「琴音ちゃんが亡くなる前、こっそりデザインしてたの。誕生日に渡したいって。

でも、デザインまでは出来たけど頼む事も出来ずに…

私達が、業者さんに頼んで作ってもらったの。

だからね、これは、私と詩と、敦とおじい様、そして琴音ちゃんからのプレゼントよ」

「ママっ…」