「強いて言うなら、敦さん達と、誕生日を祝ってもらいたいです。

ママもパパもいないから」

敦さんは急に私を抱きしめた。

「敦さん!?」

「おい父さん…」

「音ちゃんの誕生日は、ちゃんと全員で祝ってあげるからな」

律くんが怒ったので慌てて離すと、敦さんは笑顔で言ってくれた。

「はい!」

どんなプレゼントよりも嬉しい。

家族として、お祝いしてもらえる事が。

「高いの頼めば良いのに笑」

笑いながら言ってるから、冗談だろう。

「ううん、いいんだ。

どんなにいい物を買って貰ったとしても、皆がお祝いしてくれる事の方がもっともっと幸せだから」

「そっか。いい子いい子」

笑顔で私の頭を撫でてくれる律くん。

律くんが頭を撫でてくれるから、心地よくなって大好きになった。

ぎゅってされるのは、もっともっと大好き。

だって、ママもよくぎゅってしてくれたから。