「では失礼しました」

「音ちゃんそんな事があったの…!?」

病室のドアが閉まるなり、詩乃さんはそう聞いてきた。

「はい…」

「音ちゃん…」

「嫉妬って怖いからなぁ…」

律くんはそう呟いた。

「嫉妬って一言で済まされる事じゃないわよ!音ちゃん殺されそうになったのよ!?」

「知ってるけど…」

「でもまぁ、音のお姉さんは成人してるんだから、それなりに罰は与えられるでしょ」

詩ちゃんが言ったので、詩乃さんは落ち着いた。

そういえば、1度もあの人から謝られてない。

律くんを傷付けたのは、あの人の娘だ。

あの人が謝ってもいいと思う。

なんでお見舞いにも来ないんだろう。