「音ちゃん可愛い〜!」

「へあっ!」

更に強く抱きしめられたから、思わず変な声が出た。

「何やってんの」

ドアの方から声が聞こえてきたのでそちらに視線を向けると、若干引き気味の詩ちゃんが立っていた。

「あら詩、来てたの」

「お母さん、音に嫌われないようにね」

「えっ…困る!」

こまっ…!?

え、困るの?!

「音ちゃん嫌わないでぇ〜!」

「え、き、嫌いませんよ!」

「音ちゃんんんん!」

「ぐへあっ!」

勢いよく抱きしめられたのでまたもや変な声が。

詩乃さん見てると、笑いたくなくても笑えて私にとっては良い。

落ち着くし、寂しくない。

ママがいないから、ママ代わりに頼れる。

嫌いたくても嫌えないよ。