コイノネイロ

「音…

ごめん、ね…」

「…っ」

俯きながら、私に謝った。

「私…

音の気持ちも知らないであんな事…

本当にごめん…」

「…ううん…良いよもう…

私も、ずっと思ってた事吐き出せて良かったし…」

詩ちゃんは、少し笑った。

だから私も笑い返した。

でも、直ぐに表情を戻した。

律くんが危険な状態なのに笑うなんて…

律くん…

「ごめんなさいするから早く目覚ましてっ…
律くんっ…」

静かな廊下に、私達の泣く声が響き渡った。

1分1分、時間が過ぎるのはすごく遅かった。

だけど、気づけば夜ご飯の時間帯になっていた。

私達に、食欲なんて無い。

律くんが大丈夫になるまで、食べれる筈が無い。

特に私は食べたりしてはいけないんだ。

私の所為で律くんは刺されたんだから。