コイノネイロ

「「…!」」

「なんて事を言うの!私は詩をそんな風に育てた覚えはありません!」

「けど!」

「けどじゃない!

もし律が庇わなかったら音ちゃんが刺されてた!

もし律が助けず、お父さん達もおじ様を追い出さなかったら、音ちゃんと詩は襲われていたかもしれない!」

「ーー…!」

「それでも良かったの!?答えて詩!」

「それは…」

「私の所為だ…」

「え?音ちゃん?」

詩乃さんは驚いた顔で私を見た。

「私の所為で律くんは刺された…

私の所為でおじ様は追い出された…

私の所為で詩ちゃんは怒られた…

私の所為で詩乃さんは詩ちゃんに怒った…

全部…

全部全部私の所為だっ…

私のっ…

私の所為だっ!

うわあああっ!」

全部私の所為だ…

私の存在が皆を傷付ける…!