コイノネイロ

「音ちゃん!」

「…ぁ…ごめ…なさ…」

詩乃さんと詩ちゃんが走ってきた姿を見て、涙が溢れてきて、謝った。

私の所為で…

「謝らないで音ちゃん!律は?」

「さっき…手術終わって…集中治療室に…

だけど…いつ目を覚ますか分からないそうです…」

傷が深くて、危険な状態らしい。

「ーー所為だ…」

「詩?」

涙を溜めた目を私に向けて、こう叫んだ。

「あんたの所為だ!」

「…っ!」

「詩!なんて事を!」

詩乃さんが止めに入るが、詩ちゃんは続けた。

「あんたの所為でお兄ちゃんは刺されたんだ!あんたが居なければこんな事にはならなかった!

おじ様の事だってそうだ!私聞いた!

あんたの所為でおじ様は出て行ったって!

あんたが居なければ…!

あんたの所為だ!出て行け!もう関わるな!」

「詩ちゃーー」

詩乃さんは、怖い顔をして詩ちゃんの頬を叩いた。