コイノネイロ

頷き、また話し始めた。

「目を覚ますと控え室の椅子に寝かされていました…目を覚ました私を見るなり、ママは泣きながら良かったと言ってくれました…

ですが、あの人は…私を罵倒し始めました…
ママが止めるも、全くやめませんでした…

その日から、ママは笑わなくなり、毎日あの人と喧嘩していました…
私はピアノを弾けず、奏さんにも恥晒しや出来損ないと言われ、お姉ちゃんと呼ぶな、とも言われました…

ある日、私は倒れ入院しました…
そんな私を見るママの目はとても冷たかった…

真っ先に、ママにまで見捨てられる、そう思いました…だけど違った…

ママが私に言った言葉は、あの人と離婚する、でした…
驚きました…だけど、もうあの人と一緒にいなくても済むと思うと安心しました…

ママは、ママとあの人どっちについて行くか聞きました…
迷わずママと答えました。

その時久しぶりに、ママは笑ったんです。
その日から弁護士を入れて、話し合い、離婚が成立しました…

去年、あの人が私に会いに来たり色々ありましたけど…
私から行くのは初めてでした…