「出来損ないな私の所為で、ママが泣いてるって思ってました…
毎日毎日、あの人に出来損ないとか言われ続けました…
そして最後に出たコンクールの日、私はピアノを弾けなくなりました…
中盤に差し掛かると、私の手は一気に震えだして、鍵盤が押せませんでした…
会場にいる人達がざわざわしだして…ステージ袖に居たママの顔も強ばって…
私はパニックになって、意識を失いました…」
「音ちゃんもういいっ…もうやめてっ…」
詩乃さんは、涙を流しながら耳を塞いでいた。
気づけば、おじい様や敦さんの目にも涙が溢れていた。
「詩乃、折角音ちゃんが話そうとしてくれているんだ…聞いてやろう」
「…はい…」
「音ちゃん、続けてくれ…」
頬に流れた涙を拭いながら、おじい様は言った。
毎日毎日、あの人に出来損ないとか言われ続けました…
そして最後に出たコンクールの日、私はピアノを弾けなくなりました…
中盤に差し掛かると、私の手は一気に震えだして、鍵盤が押せませんでした…
会場にいる人達がざわざわしだして…ステージ袖に居たママの顔も強ばって…
私はパニックになって、意識を失いました…」
「音ちゃんもういいっ…もうやめてっ…」
詩乃さんは、涙を流しながら耳を塞いでいた。
気づけば、おじい様や敦さんの目にも涙が溢れていた。
「詩乃、折角音ちゃんが話そうとしてくれているんだ…聞いてやろう」
「…はい…」
「音ちゃん、続けてくれ…」
頬に流れた涙を拭いながら、おじい様は言った。



