「私の願いは!1度でいいからあなたに娘と認めてもらいたい!最後に!パパって言いたい!」

「ーー…っ!」

すると、あの人はその場に座り込んだ。

「すまんっ…すまんかった音っ…私が音を娘じゃないと思った事は無かったっ…」

え…?

今なんて…

「じゃあどうして…」

「私は…プロになるまで時間がかかった。だけど音は、4歳の時にはもう、完璧に弾けていた。最初は嬉しかった。だけど…

正直怖くなった」

怖く…?

「このまま弾き続ければプロになるのは間違いない。そんな音が怖かった。

憎かった」

憎しみの籠った声で、言い続ける。